なぜ武田双雲を書道家と呼んではいけないのか

武田双雲は「書道家」ではない。 武田双雲を「書道家」と呼んではいけない。 その理由を多角的に検証する。

2009-11

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大河ドラマ題字揮毫がもたらすもの(1)

前回お伝えしたように、週刊文春に例の経歴疑惑が掲載された数日後、
武田双雲による大河ドラマ天地人」題字が、NHK大河ドラマ公式サイトに掲載された。
しかし、週刊文春の記事を見た視聴者からのクレームを恐れてか、
そのサイトには題字を武田双雲が担当したという文章や、双雲のプロフィールなどは
一切書かれていない。


2ちゃんねるの武田双雲批判スレで批判を続ける人々を始め、
多くの方がおそらくこの件についてNHKにクレームを入れたと思われる。
(私もメールおよび封書で投書した一人である)

その中のお一人が、NHKからのクレームに関する回答を2ちゃんねる(武田早雲批判スレ6スレミラーにて公開している。

861 :わたしはダリ?名無しさん?:2008/09/09(火) 17:56:20
犬HKに出したクレームへの回答

クレーム及び問い合わせ原文

先ごろ、週刊文春により、武田双雲の海外の受賞歴が金で買った何の価値もないものであったと報道されました。双雲氏本人が金で買ったと告白しています。この二つの海外受賞歴により、世界的天才書道家と冠して活動を展開しました。
しかし、彼は結局は完全な偽物であった訳です。天下のNHKが偽物を採用して受信料を取るというのは、貴社も同罪いうしかありません。憤りを禁じ得ません。この題字もあまりに醜く大河ドラマの品位を著しく欠いています。
なぜ、このような偽者書家を採用し続けるのか、お答えください。

以下犬HKの回答

NHKドラマ ホームページ班です。

この度は、お便りをありがとうございました。

お問い合わせの件ですが、実際にスタッフが武田さんの
作品を拝見し、番組内容に相応しい書体であるとの判断から、
形を見て決定させていただきました。


それでは失礼いたします。

敬具
 

-- NHKドラマ
s02708-dramamail@nhk.or.jp

-- NHKドラマホームページ
http://www.nhk.or.jp/drama/



880 :わたしはダリ?名無しさん?:2008/09/09(火) 19:53:19
再度犬HKへの質問とそれに対する回答

彼がたとえ世界的書道家でなくとも単なる書道家でさえなくとも、
それこそそこら辺の少し筆文字が書ける程度のズブの素人であっても、
番組スタッフが相応しいと判断すれば題字など何でもOKということですね。

また、彼の経歴がたとえ何の価値も無い偽造したものに等しいものでも、
書道家として完全な偽者であっても、番組スタッフが相応しいと判断すれば題字など何でもOKということですね。
貴局はそういうお考えであると判断させていただいてよろしいですね。

↑についての犬HK側の解答

NHKドラマ ホームページ班です。
再度お問い合わせの件ですが、まず前回差し上げたご返信では
武田氏の経歴について論じてはおりませんので、その点について
当方の見解をご判断いただくのは不適当かと存じます。
また次に、過去に大河ドラマでは書道家ではない方が題字を
担当したケースもございます。
あくまで書体と作品内容の合致という点から選定を行っており、
私どもは受賞歴や権威などといったものではなく、内容を重視して
おります。
回答は以上となります。それでは失礼いたします。




ここで問題としたいのは、

「受賞歴を金で買い、その受賞歴を「世界的に評価された」と偽ってマスコミに売り込んだ
という経緯をもつ人物であることが明らかになったのに、なぜNHKは双雲を降板させないのか」

ということと、

「なぜ『書体と作品内容の合致』という、極めて主観的な理由を挙げてくるのか」

ということである。

まず最初の点については、
金で教員の採用を買った大分の教員採用汚職事件と同じように、
金で受賞歴を買いその受賞歴を誇大宣伝してマスコミに売り込み商売した双雲を、
その事実を知った今でも起用し続ける行為は本当に正しいことだろうか。
たとえ「書体と作品内容が合致」していたとしても、相応しいことであろうか。
それは視聴者の受信料によって番組を制作しているNHKとしては、
視聴者からそのようなクレームがきた場合には、真摯に受け止めるべきではないだろうか。
幸いなことに番組開始前3ヶ月もあるのだから、今からでも変更は可能ではないか、と思う。




次に「極めて主観的な理由から、題字起用を認めさせようとしている」点について
触れていこうと思うが、その前に、
武田双雲大河ドラマの題字を揮毫することの「意味」について今一度確認しておこうと思う。


言うまでもなく大河ドラマは、国営放送であるNHKの看板番組の一つである。
他の映画やドラマの題字と違って、大河ドラマの題字は、
毎年誰が担当したかというニュースが流れるくらい「別格」のものだと思われる。
大河ドラマの題字を見るとき、書道界の人間であるかとかないかとかいうことだけでなく、
どんな字を書くか、というところも、きっちり人々は見ている。
そして、一方の書道関係者、および筆文字ロゴ作家にとっても、
大河ドラマの題字を揮毫することは「名誉」であり「ステイタス」になるのは間違いない。

それは言い換えれば、
大河ドラマの題字揮毫に起用されたという事実は、「ひとかどの書道家(もしくは筆文字ロゴ作家)」
というレベルを与えられたに等しいことになる。
1年間、毎週流れる大河ドラマを見るたびに、大河ドラマを視る多くの人ははその題字に触れ、記憶の片隅に蓄えてゆく。
そして後に、その題字が誰の手によるのかという知識をインプットする。


ここで申し訳ないがはっきり言わせていただくと、
現在放映中の「篤姫」題字を揮毫した書家・菊池錦子氏も筆文字ロゴ作家に近いし、
その2つ前の「功名が辻」題字を揮毫した書家・だんきょうこ氏も、筆文字詩人あるいは筆文字ロゴ作家に近い方だ。
まっとうな意味での「書道家」では、ない。

たとえば菊池錦子氏は「篤姫」のホームページ上のプロフィールによると
独自の書風で、個展で作品を発表している他、映像のタイトルや店名・商品名・イベントなど、多方面にわたって筆文字のロゴを提供している。NHK番組では「クローズアップ現代」、木曜時代劇「風の果て」など」とある。書歴はない。
現在「篤姫」公式ページの「一筆入錦 『篤姫』で書!」というコーナーにて、登場人物からイメージする文字作品を掲載しているが、(プロローグその1その2その3その4
それらは非常に武田双雲や、いわゆる「アート書道」的な書道家の作風に似ており、
おそらく書道関係者から見ればおよそ書作品と呼ばない類のものと思われる。

まただんきょうこ氏については、プロフィールには
武蔵野美術短期大学デザイン学科卒業後、1975年に広告制作会社日本べりエール・アートセンターに勤務。その後、書家・山本萌氏の門をたたき、入門。1991年、山本氏のもとを離れ、自身の書の道を求めて独自の作品作りをはじめる。高級むぎ焼酎「いいちこ」の統一ロゴを手がける」とあり、こちらも書歴はない。
現在intelのHP内にて、
クロスジャンル・コラボ 『ガッサク』 −
能XマリンバX映像=? 書X音=? アニメX食=? PC が発想を形にする。

というところで、インタビューや音とのコラボレーション画像を見ることができるが、
こちらも実は、武田双雲氏のパフォーマンスとあまり変わらない内容で、
書道関係者から見ると首を傾げたくなるだろうものである。

けれども、これらの書家やその書作品・パフォーマンスには、ほとんどといっていいほどクレームは行っていないだろう。
それが容易に想像できる。
なのに武田双雲の場合には、なぜこれほどたたかれ、批判され、
大河ドラマの題字に相応しくないと猛攻撃されるのか。
おそらく大河ドラマの制作スタッフも、
「これまでと似たような題字なのに、なぜ武田双雲のときだけ?」
と思っていても不思議ではないだろう。

長くなったので、続きは次回に。


コメント

武田の件についての貴兄の指弾を
いつも拝見させてもらっております。

わたくしごとではございますが、
かつて、テレビドラマにも素晴らしい題字が
あったと思っております。

「必殺仕事人」

その題字を書かれた方は、糸見渓南氏と申される方で
現在、関西書道界の重鎮だそうです。
ご覧になられるとおわかりになると思いますが、
まさに、殺意すら感じさせる凄味の中にも
品格が備わった素晴らしい”書”であります。

NHKが、「ドラマの内容にふさわしい」と
言い切ったということは、
「学芸会を視聴料で造って、一年かけてみせてあげる」と
言いきったに等しいということですね。

題字一つとっても、
「必殺」の名物プロデューサー・山内久司氏と
今度の大河のPとの能力格差は、比べようがないと思います。

貴兄の今後のご活躍を、蔭ながら応援しております!

>糺の森様、

コメントありがとうございます。
「必殺仕事人」は確かに素晴らしい題字だと思います。
この頃の題字と違い、ここ数年の「筆文字」ブームによって、現在巷にはさまざまな題字が使われているように思います。それは最近の大河も例外ではありません。武田双雲はそのなかの「筆文字」作家の一人であると思います。ただ、武田双雲に関しては、その中にあってもやはり大河に起用されるような人物ではないのでは、と思います。それは作品内容もしかりですし、これまでの売り込み方、現在の活動内容を見てもそう思います。NHKは「内容と合致すればよいではないか」と仰っていますが、おそらくこちらがどんなに書作品あるいは題字作品として受け入れられない、と主張しても、返答の内容を見る限り聞く耳を持たないように思います。あらゆる方向から武田双雲への検証を冷静に行いここで提示することで、NHKだけでなく、他のメディアの方々へそのおかしさや危険性をわかっていただけるのではないかと思っています。今後もご協力よろしくお願いします。

私も以前、NHKに問い合わせをしました。

貴局が、双雲氏のマスコミ進出のための行為を善しとし採用したのであれば、双雲氏が受賞ビジネスを利用して業者から「国際賞受賞」という上辺だけの事実を買い取った。という事実を必ず正確に国民にアナウンスしてください。
重要な事実を曖昧に隠したままでの偽書道家の採用は、文化芸術・教育・道徳の面からもあってはならない事です。
公共放送が偽りのプロモーションにより作り上げられた「武田双雲=世界的書道家」という誤解を招くイメージ操作を助長することだけは避けていただきたい。

といったものです。

NHKからの返答は
>文章にて回答するので名前と住所をお知らせ下さい。
でした。

名前と住所をお知らせしなければ、回答はいただけないのかと返信したところ
>お話の進み具合を整理し混同せぬよう的確に会話を進めるため、あくまで書面をもちまして・・・云々
でした。

問い合わせ主が名前と住所を明らかにしないと回答が得られないようです。
・・・NHK側の返信には担当者の苗字すら明記されていませんでしたが。

はじめまして

知人に教えてもらいこのサイトを拝見させていただいております。

私も田舎で書道教室を細々と営む書家の端くれとして双雲氏の
書に対しては一人憤懣やるかたない思いを抱いておりましたが、
こちらに伺い同じ思いを持っておられる方が多くいらっしゃる
ことを知り救われたような思いがしております。

私も怒りを抑えられず自分のブログでも取り上げ無駄とは知りつつNHKに長い抗議のメールを送りものですが、やはりこの題字が天下の大河ドラマに使用され、予備知識の無い子供達をはじめ多くの人の目に触れ、こう言うのが書だと思われ認識されると思うと書家としても芸術を探求する者の一人としても更には美しい日本の文化を愛する者としても、どうしても容認できないと言う気持ちで一杯です。

「篤姫」の題字にしてもほとんどの人は気づかずに見過ごしている
ようですが、最近多い勘違い女流書道家の域を出ないもので
ロゴ作家としてもデザイン性の欠片もない書で、このような陳腐な
物を続けざまに採用するNHKの感性、もっと言えば良心を
疑わざるを得ません。
日ごろよりNHKをこよなく愛する者としても絶対に
この題字は取り下げるべきだと思っております。

書いていると徐々に興奮してきますので
とりあえずご挨拶まで



>天地人様、

>公共放送が偽りのプロモーションにより作り上げられた「武田双雲=世界的書道家」という誤解を招くイメージ操作を助長することだけは避けていただきたい

これは、非常に大事なことだと思います。
しかしながら、そのような意見を述べているのに住所を氏名を提示せよと主張するNHKは、その意見をきちんと受け止められているか、疑問ですね。他の方も、このように住所氏名を明示せよとの回答を受けた方はいらっしゃるのでしょうか?


>こうがい様、

コメントありがとうございます。
おそらく、こうがい様と同じように感じていらっしゃる方は、たくさんいると思います。このブログにアクセスされる方も増えてきており、武田双雲の露出の増加とともに、その存在に疑問を持つ人も増えていることがうかがえます。

一連のコメント欄をご覧になっていただいてもわかりますように、こうして大河題字に武田双雲が起用されたことについての意見を、NHKはまともに相手にされていないように見受けられます。
こちらはあくまでも冷静に、そして明示的に、武田双雲が大河で取り上げられることの問題について、NHKやメディアに地道にそして継続的に、訴えてゆく必要があると思います。
今後ともどうぞよろしくお願いします。

地方で書道教室をやっていますが、子供への悪影響は少し?出ているのではないでしょうか?
今年の初め頃に、小6の生徒が、武田双雲のことを書道家として話していました。
「世界一受けたい授業」を見て知ったそうです。
「作務衣?が格好いい」と言っていました。
また、昨今の双雲なども言っている「下手でもいい」とか「個性のある書」とかの弊害も感じています。
学校の書写授業で、こういって指導する先生がいるそうです。
「基本が出来ていない人に個性的な字は書けませんよ。」と指導しますが、生徒は「学校の先生は自由に書いたのが良い言ってたよ〜」なんて言う始末です。
書道界もマスコミ担当の若手実力書道家を、テレビなどに送り込まないとダメですね。

>応用順様、

コメントありがとうございます。

>「下手でもいい」とか「個性のある書」とかの弊害
>「基本が出来ていない人に個性的な字は書けませんよ。」と指導しますが

実際の書道教室の場における影響を、こうしてお知らせいただくのはとても貴重です。
また書道関係者として、ご意見などありましたら、ぜひ投稿お願いいたします。



とにかく書道界は金塗れですよね。日展はじめ、読売、毎日、産経、大賞は金作品を書く前から決まっているという事実を知ったときはショックでした。賞を取る方の作品は、確かに素晴らしいと思います。色々事情があるのは分かりますがマスコミが母体の世界では、何も変わりようがないのでしょうか。

確かに日展は金まみれだという話はよく聞きますが、他はどうなんでしょうか。皆が皆、お金を積んで媚を売って賞を取っているわけでもないでしょう。ただ、体質として、そういったものが根深く残っている、というのはあるでしょうね。だからこそ、武田双雲のような人間がポッと出てきても、実害がないとばかりに無視或いは放置しておいたのではないかと思います。

確かに書道界の金銭絡みの話はよく聞きますが、同様の話を琴・三味線・日舞・茶道・日本画界などからも聞きます故、伝統的な芸事や道のつくものには少なからず慣例としての「お礼」が残っているのだと思われます。別段驚く事でもありません。言い方を変えれば目指すべき方向がアートとは一線を画しているとも言えます。

しかしこのような事例と双雲氏の金銭問題とは全く次元が異なります。氏の場合は、参加者からお金を集め、その見返りに賞状やメダルを渡す商売をしている会社に便乗しただけですから。無論賞は何の意味もなく、参加賞として主催会社がこしらえた「龍華翠褒章」を渡されたのです。

優劣の問題ではありませんが、例え双雲氏が何百万積んだところで日展を入選するのは無理でしょう。まして入賞するのは億を積んでも不可能です。これは断言できます。つまりtaw様も上でコメントしておりますが、双雲氏は書道界と全く関係ない所にいるからこそ自由に活動できるし、書道界の方々も、あまりに自分達とは方向性が違うために異を唱えないのでしょう。野球の選手がサッカーの選手を批評しないように。

しかし双方ともに、そしてそれを観るべき第三者やもちろんメディアを含めて、あまりに見識が狭く、また審美眼が濁ってしまっているのは本当に残念でなりません。ほとんどの欧米人がアートを語るように、日本人は書を語れないのでしょうか。

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