なぜ武田双雲を書道家と呼んではいけないのか

武田双雲は「書道家」ではない。 武田双雲を「書道家」と呼んではいけない。 その理由を多角的に検証する。

2009-07

「森大衛が武田双雲の『かっこいいっ書』を添削」事件

11月3日午前、インターネット上に次のようなニュースが発信された。

日刊サイゾー 『いいとも!』書道家・森大衛が武田双雲をブログで添削指導!?

NHK大河ドラマ『天地人』のタイトルロゴなど、筆書きによる数々のロゴデザインで有名な武田双雲氏の「書」を、『笑っていいとも!』(フジテレビ)出演の書道家森大衛氏がブログで添削していることが話題になっている。

 森氏は、10月16日から自らのブログに「子供たちの書き初めに向けて」という記事を数回掲載。この中で「先日、子供の書き初めに向けての質問メールが届きました。」として、子供の母親が書いたとされるひらがなを取り上げ、添削指導した上でお手本の自書を併載しているのだ。

 実はこのひらがなが、「子供の母親」によるものではなく、武田双雲氏がテレビ東京『おはスタ!』内のコーナー「かっこいいっ書」でお手本として示している「書」であることが、テレビ東京のホームページなどから明らかになった。

 森氏がブログ内で取り上げている武田氏の「書」は、31日現在で「あ」「い」「お」「ひ」「る」の5文字。「あ」に対して「バランスも崩れたおにぎりのよう」、「い」には「やっちまったなぁ」、「お」は「屁っ放り腰になっちゃって、おどおどして見えますね。最後の"ゝ"は紙にくっついたアブラムシみたいです...」、さらに「ひ」には「"悲愴感"は漂ってます」、「る」に対しては「大変だ!早く助けてあげなければ!!」など、ユーモアを交えつつも武田氏の「書」そのものを痛烈に批判しているのだ。



(※上記記事には、武田氏に関して「書道家」という肩書きは一切使われていないのが非常に興味深い)

「森氏が『かっこいいっ書』の書を添削している」ということは、2ちゃんねるの「書道家?詐欺師武田双雲の呆れた悪行。七画目(最新スレ)」に10月20日頃から話題になっていた。そこでは「あれ、大丈夫なのかねえ/場合によっては、なんかややこしいことにもなりそうだけど/そもそも森は、本当に元ネタを知らないんだろうか/知っていて茶化しているのなら、逆にそんな真似もしてほしくはないんだけど」「森にはこれ以上(直接的には)関わってほしくない/森みたいな人間が、こんな低レベルなところにまで降りてくる必要ないよ/第一線の人間が発言すれば影響力は大きいし、ある意味では願ったりな部分もあるけど/でも、やっぱり何か違和感がある」などと、森氏を心配する声や、「森は確信犯だよ。今までの彼のブログ内容見れば一目瞭然だろ。/わざとやってるんだよ。/堪忍袋の緒が切れて、実行に移ったんだろうよ。」と見る声などが書き込まれていた。

日刊サイゾーは「巷間で話題のニュースに独自な視点で斬り込む、事情通ウェブマガジン」ということらしく、このサイトで発信されたニュースはmixi、ライブドアなどのニュースでも発信される。そのため、3日夜のmixiニュースランキングではこのニュースが一位となり、mixiユーザーによるこのニュースに関する書き込みも500件を超すという騒ぎとなった。

そのmixiでの書き込みも「書道と書写(習字)は違う(から批判するべきではない)」「書道は芸術なのだから評価は人それぞれなのでは」「**(森/武田)の方が上手いと思う」「このニュースの意図がわかりにくい、ソースのブログを読んでやっと意味がわかった」「サイゾーの記事に作意を感じる」「そもそも森も武田も知らない」などなど非常にさまざまで、書道に興味のない人の目にも留まったことが伺えた。

また、これを受けて2ちゃんねるでも【芸能】『いいとも!』書道家・森大衛が武田双雲をブログで添削指導!?とサイゾー→「富山では“おはスタ”やってない」と否定[11/04]新しいスレが立ち、続々と書き込みが行われている。

このニュースが注目された理由としては、プロがプロを痛烈に批判したということだけでなく、その「書」が「あるお母さんからメールで添削してほしいと送られてきた」ものとして掲載されている、ということで、森氏が第三者にだまされて添削を掲載したのか、それとももともとその字が武田氏のものと知りながら添削したのか、という背景がニュースを読んだだけでは見えにくい、ということもあったようだ。


あまりの反響に、その日のうちに森氏はブログに「あ」「い」「お」「ひ」「る」というエントリーをだし、武田氏の文字であったことを知らなかったとしながらも、その字を「指導者のお手本として公に出す文字としては非常に残念」と改めて批判している。

富山では“おはスタ”って番組やってないんです。
東京では他局見てるし、そもそもその時間にはまだ起きてない。

てか、メールを送ってきた“たけしママ@小学校教員”って誰?ものすごい熱意だったんですよ。

確かに赤い線が書いてあるのはおかしいとは思ったから、
本人ではなく「そういう教材があるのかな?」と思ってました。
でも、教材なら正しい例も出てるはずだから、
「わざわざ森大衛が直す必要はないのでは?」と思いつつ、
森大衛と知り合いって言うだけで子供達が書に真剣に取り組むようになった」
という話を多くの先生達からも聞いているので、
森大衛が的確に添削披露することでさらにやる気になってくれるかな?」
と思って好意的に掲載しました。

その送られてきたデータが、武田君のものだったとは…

武田君は以前、僕に「教わりたいくらい嫉妬してます!」ってメッセージをくれたんだよね。
彼が「国際賞は数十万円のお金で購入しました」と週刊文春で言っていたことも、
「正直に言っちゃってるよ…」と思いつつ、さほど気にはしていませんでした。
彼がテレビに出演しているのは1度だけ見たことがあって、
「僕が高校の時の書道部メンバーに言ってたことや指導してたことにソックリだ…」と
めちゃ恥ずかしい気持ちになりながらも、観た人達が筆を持つことに興味を持って
もらえることは良いことだと思って見てました。

でもね、ハッキリ言います。
今朝サイトで見た“おはスタ”の字は「本当に武田君?」って思うほどショッキングでした。
「あ」「い」「お」「ひ」「る」以外も、残念なものばかり…
それは全国どこの教員、書道家、習字教室の先生に尋ねられても明らかでしょう。

書写的指導と、書芸術的指導の違いはキッチリはわきまえるべき。
これは明らかに書写的指導でしょ?

もし書芸術的なものを指南しているなら、僕には“かっこわるいっ書”の方が愛おしく感じます。
僕も表現方法として“かっこわるいっ書”的な字を書くことも多々ありますからね。

僕が知らない人のメールを真に受けたのは甘かったのかもしれません。
しかし、指導者として目の前にある誤ったものに的確なアドバイスをするのは使命ですから、
今回あらためて武田君が書いた指導者としてのひらがな自体に対する謝罪はするつもりはありません。
彼が公の場に指導者のお手本として掲載した意図を僕が聞きたいくらいです。


(中略)

今回の件はいろんな意味で本当にショッキングでした。

武田君にはこれからも日本が世界に誇る書芸術に
もっと愛を持って取り組んでもらわなければなりません。




もともと森氏は武田双雲には批判的で、

昨日はスタッフがふざけて「うちもリレー書道や二人羽織書道やりますか!?」
って言ったら、みんな「バカじゃなかろか?」って表情になったのが面白かった。

楽しそうに見えても説得力のないお遊びは無駄ってことがわかってるのね。
いや、面白好きの森大衛なのでうちでやるのも楽しそうだけど、
ただ闇雲にやっても時間の無駄。発想は良いけど本当の極意を伝えないとね。
書はただの黒い線の組み合わせじゃないから。



昔から芸術には「子供はみんな天才だ!」みたいな幼児への指導法があって、
それを書道にコンプレックスを抱いてる大人にもやらせてるだけでしょ。
ハンカチ落としやフルーツバスケットみたいに、
大人になってからもやってみたら楽かったみたいな。

でも変なのが何匹出てきても、揺るぎのない美意識というか、
無意識にクオリティの高いものが書ける体になっていれば怖いものなし。

だって、彼らがいることでおのずとこちらが高く評価される恩恵も結構あるからね。

ただし、彼らや彼らの弟子も含めて、諸先輩方を愚弄するような
勘違いな態度や言動があれば、然るべき対応はとらないといけないだろうね。



といった発言をブログでもしていたことや、
上にもあるように「あ」「い」などのひらがなに対して、見ず知らずのお母さん(あるいはその子ども)
に対する添削にしてはあまりにも辛口な添削をしていたことから、
もともと「たけしママ@小学校教員」という人からのメールはなく、確信犯ではないかとの見方もあったが本人はブログで否定している。おそらくサイゾーの記事は、確信犯という視点に立って書かれたものではないかと思われる。


今日森氏は、ブログに対して賛否入り乱れる多くのコメントを公表した。

一方武田氏は自身のブログで「何時間も家族会議」としながらも、この件に関してのコメントは一切ない。

今後の両氏の動きが非常に興味深い。


テーマ:書道 - ジャンル:学問・文化・芸術

コメント

全くです

こんにちは。ようやくわたしが普段教室のお弟子さんに話している内容に近いことをお話してるサイトにめぐり合いました。
私は書暦50年、教室を持って書を学ぶようになって38年の一介の書道家です。
最近のNHKの題字やその他のロゴのお粗末さにはただただ呆れる一方でした。どうして天下のNHKは最近このような粗雑な題字を扱うのでしょう・・一流と三流の見分ける方が居らないのか、揮毫料をケチって本物の書を書く方を出さないのか?
疑問に思っています。
お弟子さんが間違った方向に行かないように古典と創作の在り方をいつも指導の中に置いております。

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